祖母から
形見分けのリングをもらった。



ほぼ一世紀、激動の時代を生き抜いた祖母。

樺太で生まれ育ち、家庭を築いていたが、
終戦後ロシアの突然の進攻により、
小さな子供たちを連れ命からがら北海道へ逃れて来た。

3歳だった父もリュックを背負い
懸命に引揚げ船に乗り込んだことを覚えている。
祖母たちが乗った船は無事だったが、違う船は目前で沈んだという。

家族以外何もなく、知らない土地で借金して開墾し、
子育てしながら畑や水田で働き、家を維持した。

強烈に負けん気が強く、男顔負けの力持ちだった祖母。

そうでなければ乗り越えられなかったのだと思う。
時代に、運命に、翻弄されるのではなく、
正面からぶつかって、ねじ伏せて、上に乗るほどの強いひとだった。
あの小さな体の何処に凄いパワーが詰まっていたんだろうと感嘆する。

病に倒れてからも、何度危ない時期があっても
その都度絶対にあきらめずに回復してきた。

厳しくもやさしく、愛情深いばあちゃんでした。
もう肩の荷下して、ゆっくり休んでほしいと思う。


元気だったころ、「この指輪は優子に」と、言っていたリングを
保管してくれていた叔母から受け取った。

何の装飾もない、シンプルなリング。
装飾の無いストレートなモノを好む感性は、
ばあちゃんから私に受け継がれたのかもしれない。

そう思うと、最後の贈り物にいろんな想い出がこみ上げて、
目が真っ赤です。






プロフィール

福井 優子

Author:福井 優子
自由に形を変えられ、火を灯せば光に姿を変えるロウという素材に魅せられて作品創りをしています。
1998年より札幌市内のキャンドル専門店に勤めながら独学で製法を身につけ、2001年ProgressiveCandleの名で活動をスタート。
2006年には札幌市の地域ブランド「札幌スタイル」にキャンドル作品が認証される。
美しい冬のある街、札幌で生まれ育った私の中の原風景をキャンドルで表現しています。
製作のほか、キャンドル作りの楽しさと奥深さを伝えるワークショップの活動にも力をいれています。

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